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肝臓の検査

GOT(AST)・GPT(ALT)

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 多くの臓器、特に心臓、肝臓、筋肉、腎などの細胞に含まれている酵素です。これらの臓器が障害され、細胞が破壊されると、GOTは血液中に放出され、血清中の値が高くなります。
  • 肝臓のみならず、心臓や筋の破壊や壊死の有無及びその程度をみることが出来ます。
  • 高値を示す病気は、肝障害、心筋梗塞、心筋症、骨格筋の病気などです。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • GOTが増えた場合
    • 心筋梗塞
    • 進行性筋ジストロフィー
  • GOTとGPTが増えた場合
    • 急性肝炎:GOT,GPTとも非常に増える
    • 慢性肝炎・脂肪肝:GPTがGOTより高いのが特徴
    • 肝硬変・肝臓がん:GOTがGPTより高いのが特徴



3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 肝臓病の特効薬はありません。予防が第一です。
  • 食事療法
    • 基本は、高蛋白、高ビタミン、高カロリー食で、脂肪は少な目にします。
  • 運動制限
    • 軽度上昇の時は特に制限の必要はありませんが、運動により肝臓の血液流量は減少し悪影響を与えますので、中等度以上の上昇では、なるべく安静が必要です。
  • アルコール
    • 基本的には、禁酒です。アルコール性肝炎は、日本人では1日に日本酒で2〜3合以上、またはビール大びん2〜3本以上の飲酒で、10〜20年で出現します。通常γ−GTPの上昇がつづき、やがてGOT,GPTが上昇してきます。
  • 脂肪肝の原因は栄養過剰、アルコール、肥満、糖尿病などです。予防や治療にはこれらをなくすことが必要です。
  • 正常値より高い値を示した場合、原因、現在の病気、進行具合などを詳しく調べてもらってください。


アルカリフォスファターゼ(ALP)

1.何がわかるか-----基礎知識

  • この酵素(ALP)は、肝臓、胆管、骨、小腸などに広く分布しており、これらの臓器の発育や障害で血中への分泌が多くなり、値は高くなります。
  • 従って、肝障害、とくに胆汁の排泄が障害されている胆汁うっ滞(胆道閉塞、胆道結石、胆道がんなど)や、骨の病気(骨成長、骨肉腫など)、腸の病気(潰瘍性大腸炎など)で増加します。
  • これらのうち、何処の異常かはアイソザイムを調べると、6つに分かれ、それぞれは各臓器を表すので、この方法で知ることが出来ます。たとえば、骨はALP3、小腸はALP5・6などです。健診などでALPが高い場合、病院などで詳しく調べます。
  • この酵素の測定は、測定方法や測定機関で、かなり値が異なりますので、ご注意ください。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 高値の場合
    • 肝・胆道の病気:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝うっ血
    • ベーチェット病
    • 骨疾患
    • 慢性腎不全
    • 甲状腺機能亢進症
  • 低値の場合
    • 貧血
    • 肝萎縮



3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 高値を示した場合、念のため病院などで詳しく調べてもらってください。
  • 軽い上昇で、他の肝機能などで異常がない場合は、定期的な検査を繰り返して経過観察をしてください。ただし、何か自覚症状があれば、詳しく調べてもらってください。
  • GOTの項の日常生活上の注意で述べた肝臓病の予防対策をとってください。


尿酸脱水素酵素(LDH)

1.何がわかるか-----基礎知識

  • この酵素は、ほとんどの臓器の細胞にあるもので、この酵素活性が上昇しているのは、どこかの臓器に損傷がある事を示しています。
  • しかし多くの場合、この値が上昇するのは
  1. 肝臓の病気:肝炎、肝硬変、胆道の病気
  2. 悪性腫瘍:とくに転移があるとき
  3. 血液の病気:白血病、リンパ腫
  4. 心臓や肺の病気:心筋梗塞、心不全、肺梗塞
  などです。
  • どこの臓器が病気かは、ALPと同じようにアイソザイム検査を行えばわかります。5種類のアイソザイムがあり、心臓や赤血球はLDH1・2、肝臓や筋肉はLDH4・5を主な成分としているからです。高値を示した場合、病院などで詳しく調べます。
  • 正常値は、測定法や測定機関によって異なりますので注意してください。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 急性肝炎
  • 心筋梗塞
  • 白血病
  • 悪性貧血
  • 溶血性貧血
  • 筋ジストロフィー
  • 腎不全
  • 膵臓炎
  • リウマチ
  • がん:肝臓がん、肺がん、膵臓がん、大腸がん


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 高い値がみられた場合、他の検査の値などを見て総合的に判断しましょう。
  • 何か病気の疑いがある場合は、病院などで、アイソザイム検査など詳しい検査を受けて下さい。
  • 肝臓病の疑いがあるときは、自分で、GOTの項に示した予防対策を心がけてください。


コリンエステラーゼ(ChE)

1.何がわかるか-----基礎知識

  • この酵素は、神経と赤血球に分布するものと、血液や肝にあるものの2つがあり、検査では後者を測定しています。
  • 血清のコリンエステラーゼ(ChE)は、肝で合成され、血液中に分泌されており、肝臓での蛋白合成能力を反映します。したがってこの酵素は、肝臓がどのくらい働いているかを示します。肝障害では活性は低下します。
  • 一方、ネフローゼや脂肪肝などで肝臓が刺激された状態ですと、値は高まります。
  • 測定法や測定機関よって、正常値が異なりますので注意してください。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 減った場合
    • 肝臓病:慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん
    • 悪性腫瘍
    • 膠原病
    • 有機リン酸農薬中毒
    • 低栄養
  • 増えた場合
    • ネフローゼ症候群
    • 脂肪肝
    • 甲状腺機能亢進症



3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 低値の場合、他の肝機能検査の値をみながら、判断しましょう。


γ-GTP

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 肝臓などの細胞の膜にある酵素で、アルコールや種々の肝臓の病気で合成が高まり、血液中へ出ていき、血清中の値が高くなります。
  • 高い場合の多くは、アルコールによるものですが、種々の肝臓病(脂肪肝、肝炎、肝硬変、胆汁うっ滞、肝がんなど)でも高くなります。


2.異常値-----疑われる病気や異常

 増えた場合
  • 急性肝炎
  • アルコール性肝炎
  • 肝臓がん
  • 閉塞性黄疸


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • アルコールの適正摂取:アルコール性肝障害の場合、他の肝機能より早く高値を示します。1日、日本酒で2合以上の常習飲酒者では、約3分の1が高値を示します。禁酒により1ヶ月で約2分の1の値となります。常習飲酒者は適正飲酒を心がけましょう(1日に日本酒で1合、ビールは大瓶で1本、ウイスキーは水割りで1〜2杯以内、週1〜2日の休肝日)。
  • 他の肝機能検査で異常のある場合、アルコールの適正化でも下がらない場合は、詳しい肝臓、膵臓、胆のう、心臓の検査を受けて下さい。


総蛋白と蛋白分画

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 血清の中には、アルブミン、免疫グロブリン、そのほかおよそ80種類の蛋白があり、体の働きに役立っています。これらの蛋白の合成の異常、分解の異常、消費または漏出があると、増えたり減ったりします。
  • 血清総蛋白の増減は、次の場合にみられます。
  1. 増加する場合:下痢、嘔吐などによる血液の濃縮、急性・慢性の炎症、悪性腫瘍、免疫グロブリンの異常
  2. 減少する場合:栄養不良、蛋白の漏出(火傷、ネフローゼ、腹水など)、分解の亢進(甲状腺機能亢進症)、合成の低下(肝硬変)
  • 蛋白のうち、どの蛋白の増減があるかは、蛋白分画を調べることによって知ることが出来ます。通常、5つの分画に分けられます。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 高い場合
    • 高蛋白血症
    • 慢性肝炎
    • 肝硬変
    • 悪性腫瘍
    • 脱水症
    • 多発性骨髄腫
  • 低い場合
    • 低蛋白血症
    • 肝臓障害
    • ネフローゼ症候群
    • 栄養不良



3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 必要に応じて、病院などで詳しく調べてもらってください。


硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 血清中の蛋白の一分画であるγグロブリンを簡易に測定する方法です。
  • したがって、γグロブリンが増加する病気の判定に用いられます。とくに肝障害が慢性化し、肝硬変となるとγグロブリンが増加しますので、肝機能検査の一つとして、慢性化ないし肝硬変の指標として用いられています。



2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 高値の場合
    • 肝臓病:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん
    • 膠原病
    • 悪性腫瘍
    • 多発性骨髄腫
  • 低値の場合
    • 肝内、肝外胆汁うっ滞症
    • 糖尿病
    • 転移がん
    • 悪性高血圧


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 高値の場合、まず他の肝機能検査や、前の病気などを考えて判定します。
  • 現在では、血清蛋白分画など詳しい検査もできますので、これらを加えて病院で詳しく調べてもらってください。
  • 少しの上昇は、とくに高齢者では慢性の感染症などによる事が多く、他の検査で異常がなければ経過をみます。


チモール混濁試験(TTT)

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 硫酸亜鉛混濁試験と同様に、血清中のγグロブリンの量をみるものです。
  • したがって、γグロブリン、とくに炎症の早期に出現する免疫グロブリンMが増加する病気では、値は上昇します。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 肝臓病:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝
  • 高脂血症
  • 膠原病


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 軽度の上昇では、年齢や過去の結核などの慢性炎症の有無などで判断し、経過を見る。
  • 高度の上昇では、病院などで詳しく肝機能、血清蛋白の分画などを調べてもらってください。


ビリルビン

1.何がわかるか-----基礎知識

  • ビリルビンは赤血球の中のヘムなどが分解してできた黄色の物質です。まず肝臓に取り込まれ、水にとけやすい型となって、胆管より十二指腸に排泄されます。肝臓に取り込まれる前の非水溶性のビリルビンを間接ビリルビン、肝臓で水溶性となったものを直接ビリルビンとよび、両者を合わせて総ビリルビンとよんでいます。
  • 血清中にビリルビンが増加すると皮膚は黄色になり、これを黄疸とよんでいます。
  • 血清中に間接ビリルビンが増加するのは
  1. 生成の増加:溶血が著しい場合
  2. 肝臓に取り込まれない場合:ジルベール病など
  3. 肝臓で水溶性にできない場合
 があります。
  • 血清中に直接ビリルビンが増加するのは
  1. 肝障害:肝炎、肝硬変など
  2. 胆汁うっ滞
  3. 閉塞性黄疸:胆石などによる胆管の閉塞
 があります。
  • 総ビリルビンはいずれかが増えると増加します。
  • 健診では総ビリルビンだけを測りますが、いずれにしろ肝障害、胆道の閉塞の有無を中心とした検査指標となります。
  • 総ビリルビンが高い場合、病院などで、直接型か間接型か調べると、原因がわかりやすくなります。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 肝臓病:肝炎、肝硬変など
  • 胆石


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 顔が黄色の時、黄疸かどうかを決めるのに役立ちます。ビリルビンが高ければ黄疸です。
  • 上昇が軽度で、肝機能などに異常が無い場合は経過をみます。体質的なものもあります。
  • 中〜高度の上昇では、必要により入院して詳しく調べてもらってください。


肝炎ウイルスの検査

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 肝炎を起こすウイルスは、A、B、Cの3つの型が大部分です。
  • ウイルス肝炎は肝障害の中では最も多く、また自分では症状がないが、輸血などによって他人に肝炎を起こす"キャリア"の存在が重視され、健診やドックでも検査項目に加えられつつあります。抗原はウイルスそのもの、抗体はウイルスに反応して、体の中でウイルスを殺す能力をもっている物質です。
肝炎ウイルス判定結果とその対策
結  果 判  定 対   策
HBs抗原(+) @B型肝炎にかかっています。
AB型肝炎キャリアです。
  • 治療を受けて下さい。
  • 症状がなくてもキャリアかどうか検査してください。
  • 肝臓を大切にしましょう。
  • 他人に輸血できません。
HBs抗体(+) 過去にB型肝炎にかかったことがあります。
  • 現在、感染の心配はありません。
  • 通常の生活で十分です。
HBs抗原・抗体とも(-) 今までB型肝炎ウイルスにさらされたことはありません。しかし、抵抗力もありません。
  • 定期の健診を受けてチェックを続けてください。
HCV抗体(+) @C型肝炎にかかっています。
A過去にかかったことがあります。
Bキャリア
  • 医師の管理または治療を受けて下さい。
  • 肝機能などが正常であれば、日常生活に注意し、年に1回ぐらい検査を受けて下さい。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 肝臓病:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝がん


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • B型肝炎ウイルスもC型肝炎ウイルスも、抗原ウイルスの存在している血液や体液からしか他人に感染しません。
  • これらのウイルスが体内にいて体の抵抗力が低下すると発病します。また、その一部は慢性肝炎となり、ついでその一部は肝硬変となり、最終的にはその一部は肝がんとなります。
  • したがって、肝炎の症状が出た人やキャリアの人は、なるべく進行しないよう、肝臓を大切にする必要があります。方法はGOTの日常生活上の注意の項をみてください。
  • もう一つの日常生活上の注意は、他人にうつさないようにすることです。キャリアの人は
  1. カミソリ、歯ブラシ、手ぬぐいは専用とする。
  2. 供血・献血はしない。
  3. 乳幼児に口移しに食べ物を与えない。
  4. 排尿、排便、月経時にはよく水洗し、手指を十分に水洗する。
  5. 定期的(年1〜2回)に肝機能検査などを受ける。
以上を守ってください。十分に注意していただければ、自分も他人にも迷惑をかけることはありません。


α-フェトプロテイン(AFP)

1.何がわかるか-----基礎知識

  • α-フェトプロテインは、正常の胎児の肝臓などで作られている蛋白ですが、乳児期には消失していきます。肝臓の病気、とくに肝がんや卵巣のがんなどでは、昔にかえって、再び作り始め、それが血中に出てきます。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 肝臓の病気:肝がん、肝硬変、肝炎
  • 小児の病気:卵黄のうの腫瘍、肝芽腫
  • 肝臓以外のがん:胃、膵、胆のう、大腸、肺


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 高値を示す場合、病院で詳しく調べてもらってください。
  • 上昇が軽度の場合で、症状も他の検査でも異常がない場合は、3ヶ月毎に測定して、増加傾向があれば、詳しく調べてもらってください。




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