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高脂血症の検査

総コレステロール

1.何がわかるか-----基礎知識

  • コレステロールは、細胞の膜を構成したり、腸内での脂肪の消化に役立つ胆汁酸やホルモンの一種であるステロイドホルモンの原料となるなど、体にとって必要な物質です。
  • しかし、余分にとると動脈壁の中に沈着して動脈硬化を起こします。とくに心筋梗塞などの虚血性心疾患の発生率は、血清中のコレステロール量と相関します。
  • 高コレステロール血症の原因は次のものがあります。
  1. 原発性高脂血症:遺伝や家族性に多く見られるもので、体質や生まれつきの異常が原因のものです。
  2. 二次性高脂血症:生活習慣や他の病気による高コレステロール血症です。脂肪のとり過ぎ、内分泌の病気(甲状腺機能低下症など)、糖尿病、肝臓の病気、ネフローゼなどが原因になります。
 高コレステロール血症の場合、どの原因によるかを決めるのも治療上、重要です。
  • コレステロールが低すぎても異常です。原因はやはり
  1. 原発性低脂血症:生まれつき病気によるもの
  2. 二次性低脂血症:低栄養、肝臓の病気、貧血、甲状腺機能亢進症などによるもの
 があります。とくに重篤な肝臓病や甲状腺機能亢進症でよくみられます。

2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 高値の場合
    • 家族性コレステロール血症
    • 糖尿病、動脈硬化症
    • 甲状腺機能低下症
  • 低値の場合
    • 甲状腺機能亢進症
    • 肝硬変
    • 貧血、癌、栄養障害


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 大部分の高コレステロール血症は、栄養過剰によるものや糖尿病によるものです。食事療法と運動療法がまず第一のステップです、10%コレステロールを下げると心筋梗塞の発生は、10〜20%低下します。
  • 食事療法の原則は:
  1. 1日の食物量を減らす:一般に標準体重を計算し[身長(m)×身長(m)×22](簡易暗算法では[(身長(cm)−100)×0.9])、1kgあたり25〜30kcalとします。
    身長が165cmの人であれば、1.65×1.65×22×(25〜30)=1,497〜1,797kcalとなります。(簡易暗算法では(165-100)×0.9×(25〜30)=1,460〜1,755kcal)
    最近の日本人の調査では1日、2,100kcalぐらいとっていますから、現在の量の70〜85%ぐらいとすればよいわけです。
  2. コレステロールの摂取を減らす:1日のコレステロール量を300mg以下にします。動脈硬化があるときは150〜250mgとします。コレステロール含量が多い食品は、卵黄、イカやエビ、レバー、貝類、動物や魚の内臓、魚卵などです。
    卵黄1個には235mgのコレステロールが含まれています。洋菓子も危険です。牛乳は1日200〜400mlとってもコレステロールは30〜50mg程度です。
  3. 多価不飽和脂肪酸を多くとる:多価不飽和脂肪酸はコレステロールを下げる作用があります(リノール酸、EPAなど)。具体的には、動物性脂肪を植物油にかえることです。
  4. 食物繊維を多くとる:食物繊維はコレステロールの吸収をおさえます。現在の日本人は1日17gしか食物繊維をとっていません。1日25gは必要とされています。現在の1.5倍とする必要があります。繊維の多い食物は、オートミール、ライ麦パン、玄米、コーンフレーク、ひじき、しいたけ、大豆、野菜などです。
  5. 食事療法は一生続ける必要があります。定期的に確認しましょう。自分の好みに合わせてうまく実施することも長続きのコツです。また食習慣として、1日3回定時に食べる、夜遅く食べない、夕食を多くしない、ゆっくりとよく噛んで食べるなどが必要です。
  • 運動療法の原則:運動は、コレステロールの代謝を促進する働きがあり、また、エネルギーを消費する働きもあり、高脂血症にはよい療法となります。運動療法の原則は次の通りです。
  1. 運動すると食欲がでますから、食事療法とともに行うと効果大です。
  2. 有酸素運動(エアロビクス運動)、すなわち中程度の運動が脂肪をよく燃焼してくれます。また10分以上続けないと脂肪は燃焼しません。これには、ジョギングや早足歩行(ウォーキング)を1回10〜20分、週3日以上、又は週20km以上のジョギングか歩行が適しています。
    水泳や自転車も適しています。
  3. 喫煙は、運動の効果を減弱するので禁煙しましょう。
  4. 服装や靴(底の厚いウォーキングシューズ)を用意しましょう。
  5. 運動の前後には準備体操や整理体操をしましょう。
  6. できれば、開始前に医師のチェックを受けて下さい。
  • 一般に薬による治療が必要なのは次の人です。
  1. コレステロールが240〜260mg/dlで、危険因子(高齢者、喫煙、高血圧、心電図異常、肥満、糖尿病)のうち2つ以上ある人
  2. コレステロールが260〜300で、危険因子が一つある人
  3. コレステロールが300以上の人
 かかりつけの医師や病院で相談してください。


中性脂肪(トリグリセライド)

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 中性脂肪(トリグリセライド)は、食事中の脂肪が腸で吸収され血液中にとり入れられたもの(外因性トリグリセライド)と、いったん肝臓に取り込まれた脂肪が、再び血液中に分泌されたもの(内因性トリグリセライド、主に超低比重リポ蛋白:VLDLとして存在する)の両者から構成されています。検査は通常空腹時に行うので、後者を測ることになります。
  • 血中の中性脂肪が高くなると、
  1. 動脈硬化を引き起こす
  2. 膵炎を引き起こす
 の2つの危険があります。
  • 血中の中性脂肪が高くなる病気には、次のものがあります。
  1. 原発性高脂血症:遺伝や生まれつきの異常によるもので、家族に多くみられます。
  2. 二次性高脂血症:食事(アルコール、糖分や脂質のとりすぎなど)によるものと、他の病気(内分泌の病気、糖尿病、肝臓病、ネフローゼ、貧血、骨髄腫など)によるものがあります。とくに食事によるものが重要です。
  • 血中の中性脂肪が低い低中性脂肪血症の原因も
  1. 原発性の生まれつきの異常
  2. 二次性の他の病気(肝臓病、甲状腺機能亢進症、アジソン病など)や、低栄養によるもの
 があります。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 高値の場合
    • 高脂血症
    • 糖尿病
    • 肥満症
    • 動脈硬化症
    • 脂肪肝
  • 低値の場合
    • 甲状腺機能亢進症


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 肥満である場合は、まず肥満を是正する必要があります。とくに糖尿病を合併している人では重要です。方法は体重の項を見てください。
    1日1,300kcalくらいにする必要があります。
  • 肥満のない人では、1日の摂取カロリーは標準体重×(30〜35)kcalとしてけっこうです。1日1,500〜1,800kcalくらいがよいと思います。
  • 食事療法の基本は、総コレステロールの項のとおりです。高中性脂肪血症の場合、とくに重要であるのは
  1. 糖分の摂取を抑えること、めん類、清涼飲料水、果物に注意する必要があります。
  2. 間食は絶対にしないこと。
  3. アルコールはなるべく少なくし、これも1日のカロリーに計算します。中性脂肪が500mg/dl以上の人は禁酒です。
  • 運動療法は、総コレステロールの項をみてください。
  • 次の人は、医師による薬物療法が必要です。
  1. 中性脂肪の値が150〜300mg/dlの人で、危険因子(高齢者、高コレステロール血症、喫煙、高血圧、心電図異常、肥満、糖尿病)のうち、2つ以上ある人。
  2. 中性脂肪の値が300〜750mg/dlで、危険因子が一つある人。
  3. 中性脂肪の値が750mg/dl以上の人
 かかりつけの先生や、病院の先生に相談してください。


HDL-コレステロール

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 血液中のコレステロールなどの脂肪は、蛋白質と結合して存在しておりこれをリポ蛋白とよんでいます。蛋白質分の多さによって、いくつかのリポ蛋白に分けられますが、その中で高比重リポ蛋白(high-density lipoprotein:HDL)とよばれる分画中のコレステロール量をHDL-コレステロールといいます。
  • HDL-コレステロールは、動脈壁に沈着したコレステロールを再び血液中に洗い出す作用があり、そのためHDL-コレステロールは善玉コレステロールと呼ばれています。
  • HDL-コレステロールが低いと動脈壁へのコレステロール沈着は増えることになり、動脈硬化を促進します。
  • HDL-コレステロールを低くするものには、次のものがあります。
     喫煙、降圧剤、糖尿病の薬、男性ホルモン
  • 逆に、運動、アルコール飲用、高脂血症の治療薬は、HDL-コレステロールを高くします。
  • ただし、あまり高すぎても、逆効果となります。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 低値の場合
    • 動脈硬化の危険性がある(心筋梗塞、脳梗塞等)
    • 肝疾患
    • 糖尿病
    • 腎疾患
    • 甲状腺機能亢進症


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  HDL-コレステロールが低いときの日常生活上の注意は次のとおりです。
  • 食事療法:総コレステロールの項と中性脂肪の項で述べた食事療法は、HDL-コレステロールを上げる働きもあります。
  • 肥満度とHDL-コレステロールには負の相関があり、肥満を解消するとHDL-コレステロールは高くなります。
  • 運動はHDL-コレステロールを上昇させます。長時間持続する運動が効果的です。
  • 適切なアルコール摂取は、HDL-コレステロールを上昇させます。日本酒で1日1合、ビールで1本、ウイスキーダブル1杯が適切です。
  • 喫煙はHDL-コレステロールを下げます。禁煙により上昇します。
  • 多くの高脂血症の薬は、他の脂質を改善するとともに、HDL-コレステロールを上昇させます。


LDL-コレステロール

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 血液中ではコレステロールなどの脂肪は、蛋白質に結合して存在しています。これをリポ蛋白とよんでいます。この一つに低比重リポ蛋白(low-density lipoprotein;LDL)があります。
  • このLDLは、リポ蛋白の中でも最終的に細胞などにとりこまれやすい脂肪の形です。したがって、このLDLの量が多いと、動脈硬化を起こしやすいことから、LDLコレステロールは悪玉コレステロールとよばれています。
  • LDL-コレステロールが10mg/dl増加すると、心筋梗塞の発生が10〜15%増加します。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 高値の場合
    • 家族性高コレステロール症
    • 糖尿病
    • 甲状腺機能低下症
    • ネフローゼ症候群
    • Cushing症候群
    • 閉塞性黄疸
  • 低値の場合
    • 無βリポ蛋白血症
    • 甲状腺機能亢進症
    • 肝実質細胞障害
    • 消化吸収不良症候群


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 総コレステロールの項と同じです。
  • 薬物治療が必要な人は次のケースです。
  1. 虚血性心疾患の既往がなく、危険因子(高齢、家族の心筋梗塞、喫煙、高血圧、HDL-コレステロールが低い、糖尿病、30%以上過剰の肥満)が0ないし1つの人で、LDL-コレステロールが190mg/dl以上の人。
  2. 虚血性心疾患の既往があるか、他の危険因子を2つ以上もっている人で、LDL-コレステロールが160mg/dl以上の人。
 いずれも、最低6ヶ月以上の食事・運動療法をしても、LDL-コレステロールが下がらない場合に薬物療法をおこないます。かかりつけの医師などと相談してください。






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