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循環器の検査

血圧測定

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 血圧は、動脈の中を血液が通るときの圧力です。収縮期血圧は、心臓が収縮し、血液を送り出したときの圧力で、拡張期圧力は、心臓が血液を送り出すのを止め、静脈から血液を心臓の中に入れている時の圧力です。
  • 血圧が高いと血管の内壁に傷がつき、動脈硬化のもととなり、やがて脳卒中、虚血性心疾患、腎臓病などを引き起こします。また、心臓は余分の力を出す必要があるため、肥大していきます。
  • 高血圧の治療には、これらの病気が発生する危険性を軽くすることを目的に行います。
  • 高血圧の場合、大部分(90〜95%)が原因不明の本態性高血圧ですが、一部に他の病気による二次性高血圧があります。
  • 収縮期血圧が100mmHg以下の場合を低血圧とします。種々の病気による場合と、体質的にものがあり、大部分が後者です。


2.異常値-----疑われる病気や異常

  • 血圧が高い場合
    • 高血圧:肥満、腎臓や内分泌の病気、高脂血症、多血症
    • 動脈硬化
    • その他高血圧を症状とする病気が多数あり。
  • 血圧が低い場合
    病気としては、心不全、大出血、著しい貧血などが考えられます。しかし、ほとんどの場合病気ではありません。


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

高血圧の人
 必ず主治医の管理を受け、定期的に血圧測定や、臓器障害の有無の検査を受けてください。

●WHOの分類:値と判定



  • 食事療法
  1. 食塩は1日8〜10g以下としましょう。だしで味を出し、香辛料や酢、レモンを使う。
    減塩しょうゆや減塩みそを使う。
    漬物は浅漬けとし、しょうゆはかけるよりもつける。
    加工・インスタント食品や外食は避け、また汁は残す。
    佃煮などは避ける。
  2. 脂肪は、高血圧、肥満とともに、高血圧による動脈硬化を促進します。血清コレステロール値が高い場合、動物性脂肪を減らし、魚の脂をとります。肥満も改善しましょう。
  3. 適度のアルコール(日本酒で1日1合、週1〜2日の休肝日)は、血圧によい効果をもたらします。飲みすぎは厳禁です。
  4. カリウムは、高血圧の原因となるナトリウムの働きを抑えますので、十分とりましょう。カリウムは野菜やバナナなど果物に多く含まれています。
  • 運動療法
    • 運動の目安は、早足での歩行1日25分を毎日続けます。
  • 生活療法
    • ストレスを少なくする工夫をしましょう。ゆとりある心構えと生活態度、余暇を上手に過ごす、趣味を持つ、適切な睡眠やぬるめのお風呂(40℃前後)。また、禁煙を心がけましょう。寒冷にも注意しましょう。

低血圧の人

  • 二次性の低血圧では、元の病気を治療しましょう。
  • 体質性低血圧の人は、自覚症状(めまいなど)が強くなければ、生活療法で十分です。睡眠を十分にとり(7〜8時間)、適度な運動をし、朝、床の中で体を動かすなどして、無理をしないで自分の体に合わせて生活するように心がけましょう。


心電図

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 心臓の筋肉が収縮したりするときに流れるごくわずかの電気を、体の表面で記録するものです。心臓に異常があったり、心拍が乱れたりすると、その変化が心電図に現れ、それを見て病気の判断などを行うことが出来ます。
    心電図でわかることは
  1. 心筋の異常:心筋の虚血(狭心症や心筋梗塞)、心筋の病気(心筋症、心筋炎など)、心筋の肥大。
  2. 不整脈:電気の発生の異常や心臓の中の電気の伝わり方の異常
などの二つが中心です。
  • 心電図の基本型:心臓が1回うつと図のような波形が心電図に現れます。各々の部位に名前がついています。
  • 負荷心電図:虚血性心疾患(狭心症など)で、通常の安静時の心電図では変化がなくても、心臓をより働かせると心臓を養っている血液が不足し、虚血性の変化が現れます。そのため一定の運動をしながら心電図をとり、潜在性の異常をつかまえるものです。
P波:心房の収縮を表す
QRS波:心室の収縮を表す
T波:心室の収縮の回復を表す


2.異常-----疑われる病気や異常

  • 不整脈
  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 心臓肥大
  • 先天性心疾患


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 心電図は、心臓の働きを知る一つの有力な方法ですが、全体の診断は、血圧その他の検査データを総合してつけます。したがって、それをもとにして現状を知り、日常生活に役立ててください。
  • 所見欄には普段見慣れない名称が記載されていることがあります。


心臓のX線写真

1.何がわかるか-----基礎知識

  • 通常、胸部単純X線写真として、肺などと一緒撮ります。
  • 正面像が中心ですが、通常、側面像も撮ります。心臓の形の変化を前後左右から見るためです。
  • X線写真に示される心臓の各部の位置は図の通りです。これらの心陰影の形の変化や突出、さらに肺の血管の状態をみて所見をとり、血圧、心電図、その他のデータを総合して診断をつけます。




2.異常-----疑われる病気や異常

  • 心臓肥大
  • 大動脈瘤


3.どうすればよいか-----日常生活上の注意

  • 心臓のX線写真は、心臓の各部の大きさの変化や形の変化をみて、他の検査結果と総合して、病気の診断に用いるものです。
  • 変化の意味を医師によく聞いて、自分の体の状態を把握しておきましょう。




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