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第25回日本産業精神保健学会で発表しました。

2018年6月30日・7月1日、北里大学 白金キャンパスで
働く30代女性のストレスと満足度について 〜 ストレスチェックによる検討 〜
を、安代職員が発表しました。

働く30代女性のストレスと満足度について 
               〜 ストレスチェックによる検討 〜


一般財団法人 滋賀保健研究センター  安代 晋吾


T.目的

 1986年施行の男女雇用機会均等法以降、女性の社会進出が拡大し、夫婦共働きの世帯が増加傾向にある。その中で、2015年国民生活時間調査(NHK放送文化研究所)によると、女性の家事に費やす時間について、男女年齢層別では30代の女性が最も多く、30代男性の約7.5倍であるという報告がある。 働く30代女性にとって、家事の負担が、仕事のストレスや生活の満足度に影響すると考えられる。そこで、30代女性のストレスや、仕事・生活の満足度(以下、満足度)について、ストレスチェックを用いて他の年代と比較、検討した。


U.対象と方法

対象:2017年1月5日〜2017年12月27日に当財団で実施したストレスチェック回答者の中で、
   ストレス要因9項目、および満足度の項目に回答した者のうち、問診回答の欠落などを
   除き、尺度の評価ができた女性15,686名。

方法:@女性の年代別のストレス反応と満足度の平均点数を算出した。
   Aどのようなストレス要因が影響しているか検討するため、ストレス反応や満足度と
    ストレス要因の評価尺度9項目それぞれの相関をみた(心理的な仕事の負担(量)、
    心理的な仕事の負担(質)、自覚的な身体的負担度、職場の対人関係でのストレス、
    職場環境によるストレス、仕事のコントロール度、技能の活用度、仕事の適性度、
    働きがい)。


V.結果

@ストレス反応は、20代が最も多い59.4点となり、次いで30代が57.7点であった。30代女性の
 満足度は、30代は5.66点で最も低く、女性の満足度は年代によって変化することが分かった。
Aストレス要因9項目と、満足度との相関は、30代では6項目に相関が見られ、他の年代と比べて
 最も多かった(心理的な仕事の負担、職場の対人関係でのストレス、職場環境によるストレス
 、仕事のコントロール度、仕事の適性度、働きがい)。
 そのうち、「仕事の適性度」は0.40、「働きがい」は0.42と、より高い相関となった。


W.考察

 30代女性は、仕事の適性度や働きがいが落ちることで、満足度も低下することが分かった。家事の時間に圧迫されることは、限られた時間内での仕事を余儀なくされ、満足度の低下や仕事の適性度、働きがいなどのストレス要因に影響を及ぼすなど、ストレスを助長させる1つの因子として考えられる。仕事に満足できない状況が続くと、仕事のパフォーマンスや生産性にも悪影響を及ぼし、結果として事業所全体の損失にもなりかねない。共働きの世帯が増加する中でも、家庭での役割はないがしろにはできないが、家事の時間は30代女性が依然として顕著に多い。しかし、家事は女性に特化した役割ではないため、家事時間を家族で分担するなど女性の負担を少しでも減らすことで、仕事上でのストレス軽減や満足度の向上に寄与すると考える。


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